薬剤師に限らないですがインターネットで『転職』と検索すると必ずと行っても良いくらい上位に出てくる転職エージェント。
求職者は無料で利用でき、登録するとエージェントとの面談を行い現在の年収や勤務形態を伝えてそれよりも良い転職先がないかを相談します。その後にエージェントが企業と年収や勤務形態などヒアリングを行い面接の日程まで調整してくれます。
さらに面接を行ったあと、企業と年収や勤務条件の交渉をしたりもし合わなければ断ってくれることもしてくれます。
普通に考えて転職の仲介を行ってエージェントが時間をかけて動いてくれているのに求職者は無料って怪しいと感じたことはないでしょうか?
今回はなぜ転職希望者はエージェントを無料で使えるのかを解説していきます。
法的に有料職業紹介事業では求職者から手数料を徴収できない

職業紹介事業は職業安定法第32条の3台2項によって芸術家や家政婦、その他限られた職種を除き求職者から手数料を徴収することを禁止されています。→参考ページ
仕事を探している求職者は立場が弱いため

求職者さんは10万円払ってもらえるなら良い案件を紹介しますよ
と言った感じで、「紹介してほしければお金を出してください。」といったことがまかり通ってしまうと立場の弱い求職者が騙されてしまいますし、エージェントが悪い人であれば適当な会社を斡旋することで手数料は懐に入るので求職者の良い就職に繋がらない可能性が高くなってしまいます。
エージェントは企業からの手数料で収益を得ている
それでは求職者からもらえないエージェントはどこからお金をもらって仕事をしているのかというともう一人の登場人物である求人募集をしている企業です。
求職者と違って企業は人材がほしい立場であり、多くの場合は個人でなく母体のある組織であるためここがお金を払うことになります。
求職者は個人で活動していますが、『人材紹介する企業』と『人材を探している企業』というお互いにビジネスとして成り立っているため国としてもそこはお互いに合意の上でやってくださいということなんだと思います。
求人している企業ってどれくらいエージェントに手数料を払っているの?
企業が転職エージェントを通して採用した場合、だいたい年収の30%~40%程度の報酬が支払われることになります。
薬剤師の年収ってどれくらいなの?にも書きましたが、令和5年のデータで40才薬剤師の平均年収は577.8万円です。
手数料はつまり577万円×30%=173万円(税別)となり、消費税をいれると約200万円という大きな金額がかかってきます。
企業にとって痛い出費ではありますが、調剤薬局はホームページを持たないことも多くその薬局がどのような特徴を持っているのか?更には職員募集をしているのか?すらわからないのが現状です。
1~3店店舗で経営している中小企業にとって転職希望者の選択肢の一つに上げてもらえるコストとして調剤薬局は数百万円を払っているのが現状です。
転職エージェントの仕組みを知ってうまく活用しよう
転職エージェントの正式名称は有料職業紹介事業を行っている業者です。
求職者に不利益がないように法律で守られているため、無料で安心して利用することができます。
ただし無料で利用できるということは誰かがその分を支払っていることは明確であり、転職エージェントの場合は自分が就職する会社が負担することとなります。
経営者がおすすめする薬剤師転職3パターンと言う記事にも書きましたが、時間的余裕がある人は薬局に直接連絡をして交渉することでより高い年収が狙えたり、子どもが小さいうちでの復帰など融通の聞く採用に繋がる可能性もあります。
一方で働きながら転職を目指す人は、エージェントに動いてもらうことによりより良い条件の転職先が見つかる可能性が広がります。
どちらにしても求職者の目線から見ると無料で使用できるものであり、エージェントと面談することで「客観的に自分の価値」を教えてもらうことで転職に前向きになれたり今の職場に満足して戻ることができたりするかと思います。
転職を考えた際は一度エージェントに登録して話だけでもしてみるとより自分の転職イメージが掴めると思いますので活用することを考えてみてください。
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