MENU

私立薬学部を奨学金を借りて卒業する際のお金を計算してみました

薬剤師というのは一般的なイメージとして

  • 6年間大学に通わなければならない
  • 学費が高そう
  • 給料は良さそう

といった感じでなるまでにお金はかかるけど、就職後は安定して収入を得られる仕事というイメージがあるかと思います。

実際に薬剤師になるためにいくらくらいかかるのか?そのお金は奨学金を借りて返そうとするとどれくらいの期間で返せるのか?疑問に思ったのでシミュレーションしてみました。

あくまでもモデルケースですので参考程度にしてください。

シミュレーション結果から考察すると、薬剤師という仕事をやりたい人にとって奨学金を借りてまで薬剤師になるという選択はありだと思います!

目次

薬剤師の平均年収を確認

薬剤師の平均年収は令和4年賃金構造基本統計調査を確認すると下記のデータが確認できます

年齢:41.1歳
勤続年数:9.1年
所定内実労働時間:164時間
きまって支給する現金給与額:414,600円
年間賞与その他特別給与:858,700円
労働者数:92,460人

合計 (41.46万円×12ヶ月)+85.87万円=583.39万円

令和3年に行われた民間給与実態統計調査によると、給与所得者全体の平均給与は男性で545万円、女性302万円という調査結果がありますので、女性比率も多い業界としては比較的高い収入を得ることができます。

私の感覚としても、調剤薬局に勤めるとすると新人は400万円~450万円、3年目以降は480万円~550万円、管理薬剤師を任せるとなると550万円~600万円位が現実的な数字かなという印象があります。

薬学部を卒業するまでにかかる学費は?

一方で、薬学部に6年通い国家試験に合格し薬剤師免許を取らないと薬剤師として働くことはできないため学費が多くかかることも事実です。

参考→奥羽大学薬学部の学費東北医科薬科大学の学費国際医療福祉大学の学費

私立大学について調べると6年間で約1000万円の学費がかかることがわかります。結構高いですね。

地方に必ず薬学部があるわけでもなく、遠方の大学に通うとなると一人暮らしにかかる費用も計算しなければならず、さらにお金がかかります。

国際医療福祉大学のように特待生枠を設けている学部もあり、勉強を頑張れば学費を抑えられるという頑張る人を救ってくれる制度もあります。

この高い学費を奨学金を借りてでも薬学部に行くことは、どれくらいの期間で返済ができるのか?を具体的にシミュレーションしてみましたので、これから薬学部を目指そうとしている人や奨学金を実際借りている人は参考にしていただければと思います。

シミュレーションしてみました

シミュレーションのツール紹介

シミュレーションするのに使用したのはFP協会が出しているキャッシュフロー表。家を買うタイミングや保険相談などで使用されることも多いですが、これに18歳から自分一人の学費、生活費などを入れ込んでシミュレーションしてみましょう!

前提条件

大学生活は1人暮らしするの?車を持つの?どれくらい遊ぶお金があるの?など人によってさまざまなのでこのようなシミュレーションは前提条件がかなり大事になってきます。

今回の条件は以下の通りです

学費:奥羽大学の学費を試算 →6年間で約970万円
給料:新人の年収は420万円(手取り328万円)+毎年昇給5,000円
   5年目に管理薬剤師になり520万円(手取り405万円)+毎年昇給5,000円
管理薬剤師は年収550万円(手取り423万円)で昇給ストップ
家賃:学生の時は4.5万円、社会人になったら8万円
生活費:水道3,000円、ガス3,000円、電気5,000円、通信費3,000円、食費20,000円
その他遊興費;学生30,000円、社会人40,000円
奨学金の種類:大学、第2種奨学金
借入額:14,000,000円(貸与利率0.369%)

※国家試験受験費等は考慮しない、42歳まで独身。

以上をまとめると以下のような数字になります

学生の収支社会人の収支管理薬剤師の収支
手取り年収0円328万円405万円
(月額収入)0円約27.3万円約33.7万円
年間生活費支出94万8千円148万8千円148万8千円
年間遊興費支出36万円48万円48万円
奨学金返済0円72万円72万円
年間支出130.8万円268.8万円268.8万円
(月額支出)8.65万円22.4万円22.4万円
月額手残り▲8.65万円4.9万円11.3万円

上記の数字は私の学生自体の経験と奥羽大学がある郡山周辺のそこそこの家賃、社会人になっても割と質素な生活を行うことを前提としています。

全国大学生活協同組合連合会が出している学生の経済状況を確認すると下宿生の支出は交通費・書籍代などを入れて月額12.3万円位なので、学費書籍代を教育費に入れてしまっている&田舎で交通費がかからない自転車生活を考えて8.65万円で計算しております。

社会人の一人暮らしの生活費については総務省の統計によると月額161,753円とのことですので、奨学金の返済を月額6万円と定義すると大きく乖離はないと考えられます。(参考にしたおうちネットプレスの記事

もし目指している大学などがあれば、その大学周辺の家賃相場や近くにいる学生や社会人の支出を聞いてみて変更してみてください。

シミュレーション表

上記の試算を表に組み込み。下記の赤字に借入金額が毎月6万円の返済でどれくらい減っていくか、貯金と借入金を差し引いて純資産がいつプラスになるのか(実質無借金になるのか)を試算してみました。

表が小さくなってしまったので下記で細かく見てみましょう。

学生時代

1年生の時に奨学金1400万円借り入れし、バイトもせずに勉強に励むことを想定しています。

学費を含めると毎年300万円位はマイナスになっていき、6年目は貯蓄が40万円の赤字になってしまいました。

6年での赤字が40万円なので、少しバイトをするなりご家族から支援してもらうなりで賄える金額だと思います。

社会人時代

社会人スタートして借入金は1400万円のスタートです。

毎月6万円の返済は家計に重くのしかかりますが、一般的な生活費である毎月16万円位の生活をする分には返済したうえで毎月5万円程度の貯金をしていくことができます。

今回のテーマが『奨学金を借りてどれくらいに返せるのか?』というところが一つのポイントですので、貯金から借入金を差し引いた純資産がプラスになるポイントを確認してみます。

5年後に年収が520万円(手取り405万円)に上がることが前提ですが、32歳になった働き始めて10年目に借金を返し終わり純資産がプラスに逆転しています。

理論上は車を持たず、世間一般的な生活をすれば9年経過すればいつでも奨学金を返せる状態に持っていけることがわかりました😊

シミュレーションは現実的なのか?

私の今までの経験を踏まえて一般的な私立薬学部卒業→調剤薬局への就職という場面を想定して試算してみました。

実際は

・調剤薬局じゃなくてドラックストアならもっと給料いいんじゃないの?
・3年位で転職したらもうちょっと収入が上がるって聞きましたよ!
・地方で働けばもっと年収って高いですよね?
・全国転勤の会社に行けば家賃補助とかあるから生活費が下がるんじゃないの?

と言ったように、働く場所や会社によってもっと高い収入をもらえたり会社から補助を受けることも期待できます。

一方で

今の時代、学生と入っても8.5万円では暮らせませんよ
社会人になって使えるお金が学生時代と変わらないなんて働いている意味がないじゃないか
地方の大学は車がないと生活していかないじゃないか
働き始めて車を買ったら全然無理なんじゃない?
30歳位には結婚する予定なんだけど🤔

とかなり生活費を抑えたシュミレーションになっているため、このような学生の生活を続けるのは現実的ではないと考えることもできます。

あくまでもベースとして当たり障りのない例を挙げてみて、そこからカスタムすることで薬剤師として生きていくならばどんなお金の計画が立てられるかを予想できると思いますので一つの参考にしていただければと思います。

正直な話、働き始めてからの給料は奨学金を差し引いて使っちゃう人がほとんどだと思います😅

まとめ

薬剤師は学費が高い&6年制の大学ということで奨学金の額も大きくなってしまいますが、新卒でもらえる給料が平均給料並みに高い分、計画的に返済すれば十分返せる範囲だと考えられます。

また、調剤薬局は国家試験である薬剤師免許に給料を払っている側面もあるため極端に働き始めてから給料が低いことは考えづらいため返済計画は精度高く検討しやすい職業です。

薬局での仕事は体を使う仕事でもないので60歳の定年を超えても(給料は下がりますが)働き続けることができるのも魅力の一つです。

薬剤師の給料はトレンドとして下がっている傾向があるためあまり楽観視はできませんが、医療職に就きたい!薬剤師になりたい!と考える学生さんがいたら一度リアルなシミュレーションにしたり、薬剤師に話を聞いてみることを勧めします😊

薬剤師と言う仕事は医療職の一端を担い、患者さんが心臓だったりがんだったり足の痛みだったりと不安を持ちながら生活していくうえで寄り添い前向きに生きていくお手伝いができる素晴らしい職業です。

もし金銭的な面で薬学部の進学を諦めてしまいそうな方は一度シュミレーションを行い、腹をくくって勉強をしていけばその夢が現実的になると思いますのでぜひ前向きに検討してみてください!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

コメント

コメントする

CAPTCHA


目次