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地域体制加算が経営に与えるインパクトは大きい

みなさんが勤めている薬局ではどのような加算を取っているでしょうか。

2024年には診療報酬改定が行われて厚生労働省からも一般向けに資料が配られています

調剤報酬では

  • 調剤技術料
  • 薬学管理料
  • 薬剤料
  • 特定保険医療材料

の4項目で構成されており、それぞれ細かく算定要件が定められそして点数がついてきます。

今回触れる『地域支援体制加算』は調剤技術料に分類され加算の条件をクリアすれば受付するすべての処方箋に加算されるため、処方箋枚数が大きい薬局ほど大きな利益に繋がります。

厚生労働省 【調剤】R6改定説明会資料より抜粋

2024年調剤報酬改定より地域支援体制加算1では1枚あたり32点、地域支援体制加算40点という大きな点数がついています。

目次

どれくらい売上が変わるのか試算してみました

調剤報酬では1点あたり10円の値段をつけて料金を計算します。

実際に地域支援体制加算がどのように大きな利益をもたらすのか計算してみましょう。

厚生労働省の資料を参照

少し古いですが厚生労働省が出している平成30年10月分の薬局がどれくらいの処方箋枚数を受けているかの資料がありましたのでそれを参考にします。

加算点数は地域支援体制加算1の32点、平均はひと月あたり約1,450回ですが薬局にもよりますので下記表にきりの良い枚数をまとめてみました。

処方箋枚数/1ヶ月加算点数/1ヶ月増える金額/1ヶ月処方箋枚数/年間増える金額/1年
50016,000¥160,0006,000¥1,920,000
1,00032,000¥320,00012,000¥3,840,000
1,45046,400¥464,00017,400¥5,568,000
2,00064,000¥640,00024,000¥7,680,000
3,00096,000¥960,00036,000¥11,520,000
4,000128,000¥1,280,00048,000¥15,360,000

薬局の平均である1,450枚で年間約550万円と薬剤師一人が雇えるレベルの金額に到達しています。

マンツーマン薬局で1日30枚程度の薬局でも1ヶ月の営業日が20日とすると約200万円とパート薬剤師が雇える水準です。

地域支援体制加算は薬剤師のスキルを問われる

上記のように地域支援体制加算は経営に大きな影響をもたらしますが、最近の調剤報酬では薬学管理料の件数が求められることになり、薬剤師が積極的にレポートを書いたり在宅に介入したりと薬学的な仕事を求められています。

厚生労働省 R6改定説明会資料より引用

以前の調剤報酬では施設基準に重きが置かれており、備蓄数や管理薬剤師の勤務年数、後発品の割合や薬局としての在宅件数が主な要件でした。

最近の改定では『地域医療に貢献する体制を有することを示す実績』という条件があり、2024年改定では「④かかりつけ薬剤師指導料等の実績」が必須になり個人としてかかりつけの同意を患者さんから得ることが非常に価値の高いものとなりました。

かかりつけ薬剤師は保険薬局での勤務年数やその薬局での勤務時間、認定を持っているかなど薬剤師としての経験や普段から継続して学んでいるかなど問われる加算です。

地域支援体制加算をはじめとした調剤報酬を意識することで薬局経営に貢献しそれが昇給や良い転職につながることも十分に考えられますので普段から意識して仕事を進めましょう。

地域支援体制加算が取れると薬局経営に貢献できる

計算してみると地域支援体制加算は場合によっては薬剤師を追加で雇えるほど薬局経営に大きな利益をもたらすことになります。

地域支援体制加算の用件を満たしている薬剤師が自分だけだったとしたら会社としては辞めさせるわけにはいかないので、昇給の交渉が出来たりボーナスも期待できるかもしれません。

また、転職の際に自分が要件を満たすというメリットを話すことで『経営のことまで考える薬剤師』として良い条件での転職も期待できます。

薬局の大きなメリットとなる地域支援体制加算。調剤報酬ごとに要件は少しずつ変わることも予測できますが、内容を理解して加算のための重要な薬剤師になって会社と交渉していきましょう!

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