薬剤師は女性が多い職場ですが、20代~30代に結婚や出産を期に退職して一度臨床の場を離れ子供が小学生に上がったあたりにまた働こうとする人は多いです。
小さい子供がいる家庭にとって今まで多くの面接をして希望されることは
- 子供が熱を出したときに急に休む可能性がある
- 子どもとの時間を取るために土日は休みたい
- 子供が13時のバスで返ってくるから午前中しか働けない
- 子供が返ってくるので17時に帰りたいです
といったように時間的な制約や不測の事態が多すぎて働くことに躊躇してしまう方も多いかと思います。
採用する側は確かに不安定な働きをする人を採用することに躊躇することもありますが、条件さえ合えば働く場があることも事実ですので、ぜひ再就職活動を始めてみることをおすすめします。
転職に向けてまず考えてほしいこと
再就職活動を始める前にまず考えてほしいことは『就職の軸と目的』を明確にすることです。
- 家計が苦しいからどうしても働かなければならないのか
- 子育てが落ち着いてきたから空いている時間を有効に使うために働きたいのか
- 最先端の医療に関わり患者さんに関わり良くしていきたいのか
- 子育てが孤独すぎて社会との関わりを求めているのか
- 尊敬できる人と一緒に働きたいのか
新人として就職活動するときもそうですが、働く理由は人それぞれで人によって優先順位は大きく変わってきます。
上記のような優先順位をしっかり決めずに就職活動をしてしまうと時給につられて条件が悪いところに流される人も多いです。
産休明けのご自身にとって、■家族との時間 ■仕事内容 ■必要なお金 ■職場環境 などの優先順位をはっきりと決めて(特にお金に)流されないようにご注意ください!
私が今までお会いした人たちは「実際旦那の給料で十分暮らしてはいけるんですけど、時間もできたし社会復帰も兼ねて仕事を探しています。」という人が多いです。
この場合はお金はかなり優先順位低くなると思います。
例えば冷静に家庭の経済状況を見直して目的は『薬剤師としての復帰』を第一にすることで、復帰への道はかなり楽なものになります。
産休ブランク明け薬剤師に諦めてほしいこと1点
冒頭に書いたように正社員と比べて条件的にかなり不利な働き方を希望するうえで諦めてほしいことがあります。
それは『相場並みの時給と安定した雇用』です。
『薬剤師 時給』で検索すると人材派遣会社「時給4000円以上の案件あり!」とか人材紹介会社「全国平均は2,500円!」とか、魅力的な数字が並びます。参考→マイナビ薬剤師
それらの数字はあくまでも高単価な時給を見せて登録を促したり、全国平均のデータを解説しているだけで参考にはなりますが必ずしもご自身に当てはまるとも限りません。
極端な話ですが
時給は相場の2,500円はほしいです!雇用形態は無期限でお願いします。社会保険も入りたいのでギリギリの週に20時間まで働いて土日は休みたいです!
時給1,500円でも良いです。雇用形態は非常勤でよいし期間は半年でも1年でも大丈夫です。
以上の二人がいた場合に経営者からすると、どうしてもYさんは長期雇用が前提だし社会保険の負担も大きくなってくるのでよっぽどのスキルがない限りは採用はなかなか難しいです。
一方でKさんは時給を考えてもかなり低いし、もし採用してみてイマイチであれば1年間の契約満了でそれ以降は雇用する責任はありません。この条件であれば『とりあえず試しに採用』ができるので内定率が上がります。
もちろん自分を安売りすれば採用されやすくなるのは当たり前なのですが、就職の目的を『薬剤師としての復帰』に設定しブランクを埋めることで更に転職を狙うという戦略は良い選択だと思います。
産休ブランク明けおすすめ転職方法
転職エージェントに登録する
薬剤師転職の王道である転職エージェントに登録をまずはお勧めします。
転職エージェントは求職者側は無料で使用することが出来るので使わない手はありません。
転職を専門としている会社なので、そのエリアにおける薬剤師の正社員の相場、パートの相場、薬局や病院などの求職状況のデータを持っているため自分の時給相場や求人状況を把握するのに役立ちます。
検索して相場を調べるのは限界がありますし、エリアによっても違うものなので実際にその界隈に詳しいエージェントにご自身の価値を聞いてみましょう!
ハローワーク経由で探してみる
ハローワークは簡単に言うと国(厚生労働省)が運営する就職支援サービスです。求職者も経営者も無料で使用することが出来るため、経営者目線では採用費をかなり抑えられるメリットの大きいサービスです。
一方で半年ごとに薬局側が再掲載を依頼しないと表示されないため、企業側のミスで掲載がされていない場合もあります。
こちらはさらっと求人を見るだけでも良いですし、条件に合った求人があれば試しに連絡をしてみる程度に利用するのがちょうど良いと思います。ハローワークで探せば時給も確認できます。
気になる薬局に直接行って求人がないか聞いてみる
経営者的にはハローワークとともに取って欲しい手段です。
家に近い薬局や子供や家族の薬をもらったときに『この薬局雰囲気が良いな』と思った薬局があったらぜひ直接出向いて「子供の手が離れたので働きたいと思っているんですが、募集してませんか?」と聞いてみましょう。おそらく3軒回れば1件は採用担当者が喜んで連絡をしてくれると思います。
まとめ
産休ブランク明けとはいえ、おすすめ転職方法は『経営者がおすすめする転職方法3パターン』と同じです。
ただ働きながらする転職と違って『子供の手が離れる=時間がとれる』ということですので、働くつもりの時間に自分の足で動き薬局に出向くことでより良い条件での就職が可能になるかと思います。
「処方せんもない状態で薬局に立ち入るのはちょっといきづらい」と思う気持ちもわかりますが、勤務していた薬剤師だったときのことを思い出して突然入ってくる来客なんて結構いるし、用事が済めば記憶から消え去るのでそんなことは気にせず勇気を出して一歩を踏み出してみてください!
せっかくの薬剤師免許を活用し、地域医療への貢献の一助をお手伝いしていただければと思います!
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