保険薬剤師にとって仕事の源泉となる処方箋、それは患者さんが病院を受診して診察を受け薬が必要と判断されたときに初めて発行されるものです。
「門前薬局」という言葉もあるくらい薬局は病院やクリニックに依存した仕事をしているのは否定できません。
以前に薬局の処方箋枚数を調べる方法という記事を書きましたが、働く薬局を探すのであればその源泉である病院やクリニックの流行り具合も把握しておきたいところです。
やり方は薬局の処方箋枚数と同じですが、今回は病院における外来の数を調査していきましょう。
医療情報ネット(ナビイ)で調べる

薬局の処方箋枚数を調べるときも使った医療情報ネット(ナビイ)を利用します。
厚生労働省が『医療機能情報提供制度』という住民・患者による医療機関の適切な選択を支援することを目的として導入されている制度があり、その情報をわかり易く提供する制度としてナビイが運用されています。

昔リウマチって言われたんだけど改めて病院に行きたい。どこの病院に行けばよいのかしら?
この病院って何曜日に診察しているのかな?
というような患者さんが調べるために創出された制度になります。
ナビイにはクリニックにによって異なりますが標榜している診療科や営業時間、外来患者数などが記載されています。
実際にクリニックを検索してみましょう
薬剤師の転職という目線でいうとお目当ての薬局に隣接しているクリニックの名称はGoogleマップなどで検索して探しておいてください。
具体的に実際にあるクリニックをみてみます。
ナビイで病院を探す


薬局ではなく『医療機関を探す』タブが選択されていることを確認して探している都道府県を選択します。
都道府県を選択しなくても検索はできますが、全国が対象になってしまうのではじめから都道府県検索をすることをおすすめします。


目的の都道府県(今回は山形県)になっていることを確認します。
その後に『キーワードで探す』のところに目当てのクリニック名を記載して検索を押します。
今回は試しに「佐藤」という文字を打ってみましょう。


今回は「佐藤」で検索したため『佐藤歯科医院』や『佐藤内科』といった検索結果になり合計21件も出てしまいました。
薬剤師が探す場合はクリニック名が明確になっていると思いますので正しいクリニック名を検索したほうが効率が良いですね。
病院が見つかったら内容を見ていく
目的の病院が見つかったら掲載内容をみてみましょう。


先程の検索結果からお目当ての病院探してクリックします。
名称が同じ場合は住所や電話番号も書いてありますので間違えないようにご注意ください。
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病院のページを開くと概要が載っているものが開けます。次は『医療の実績、結果に関する事項』をみましょう。
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『医療の実績、結果に関する事項』をみてみると「患者数」や「医療機関の人員配置」という項目があります。
「患者数」に関しては前年度一日平均患者なのでこの場合は50名×24日(月ー土曜診療しているため)=1200人(1ヶ月あたり)、1年では14,400人の患者さんが来ていると予測できます。
病院を受診した人が必ずしも薬を処方されるわけではないですが、1日50名は結構繁盛しているクリニックであると考えられます。
ナビイを利用するうえでの注意点
ナビイの登録基準がどうなっているのかわかりませんが、体感で10%くらいの医療機関で外来患者数が公表されていないことがあります。
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こちらはまた別のクリニックですが、『医療機関の人員配置』の記載はありますが「外来患者数」の項目はありませんでした。報告義務が必ずあるわけではなさそうです。
また、私が個人的に調べているとナビイで検索してもヒットしないクリニックも存在するようです。
ナビイへの掲載するかどうかなどクリニック側が決められるのかもしれませんが、必要な情報がないかもしれないのは頭の片隅に入れておいておいたほうが良いです。
利用を想定している患者さんにとって『営業時間』『診療科』『どのような難病を取り扱っているか?』は重要ですが、外来患者数などは必須ではないので情報が取れないのは仕方がないかもしれません。
近くの薬局を検索してみよう
薬剤師の転職を軸に考えると薬局の処方箋枚数を調べる方法で記載した方法で薬局の処方箋枚数を調べたうえでクリニックも調べていると思います。
病院の外来数から年間患者数を推測し、薬局の処方箋枚数を調査してその差がないかを確認しましょう。
もしクリニックの外来数より遥かに多い処方箋枚数を調剤しているとしたら、施設調剤や在宅など門前薬局以外の処方を受け付けている精力的な薬局であると考えられます。



名前は伏せましたが、上記クリニックの近くの薬局を探してみましたがマップ上存在しませんでした💦おそらく院内調剤していると考えられます。
そのうち、クリニックの外来数と薬局の処方箋枚数を検証した記事も書きますのでお待ち下さい🙏
まとめ
クリニックの外来数や薬局の処方箋枚数はナビイを用いて調べることができます。
医師の人数や外来数を調べることによって



この眼科、他のクリニックと比べて外来が少ない?なぜだろう!?
といったように地域での評判を探る事もできると考えられますし、薬局を調べるうえでどれくらいその病院に依存しているのかを大まかに予測することもできます。
転職活動をする際にはナビイを用いて候補となる薬局やクリニックを調査して、より将来性のあるご自身にあった職場を探していきましょう。
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