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勤務する薬剤師が持ちたい『顧客は会社』と言う考え方

薬剤師に限らず会社に雇われている人に質問です。

もしこのように聞かれたらなんで答えるでしょうか?

あなたが働く上での『お客さん』って誰ですか?

かかりつけの同意もいただいている患者さんですね!

考えようによっては施設の職員とか門前のお医者さんとかですか?

以上のように、日々患者さんややり取りをする中で相手にする『患者さん』だったり『処方医』『施設職員』『訪問看護』『ケアマネージャー』といった医療関係者を想像する人が多いかと思います。

一方で仕事をして給料をもらうという観点からすると「労働者」の役務提供者は「会社」であり「会社」から給料をもらうことで成り立っています。

従業員が『患者さん』や『医療関係者』からもらうお金などはあくまでも会社に入るものを預かっているだけであるという観点は転職において重要なため、「従業員の顧客は会社」という考え方を解説します。

この考えを持つことで一つの会社に縛られることのリスクが理解できると思います。

なぜ会社が”顧客”なのか?

労働契約は『1ヶ月のうちに〇〇日働きます。その代わり△△円の報酬をください』といった契約を結びます。

上記は厚生労働省のモデル労働条件通知書ですが、入職する際に会社と従業員が結ぶ契約というのは

  • どれくらいの期間
  • どこで
  • どのような仕事を
  • どのような条件(時間や金額)で
  • その他社会保険の加入状況

などを取り決めて契約し働くことになります。

当然ですが従業員がサービスの対価としてお客さんから受け取ったお金は会社のものであり、会社が売上を合計して仕入れなどを差し引いた上で会社から給料が支払われます。

サービス提供と対価の支払いと言う意味では『従業員』の顧客は『会社』と考えることができます。

従業員側の視点で一人派遣会社と考えてみる

一人の社会人として働くうえでよく使われる表現に「自分株式会社の社長で社員は自分ひとり!」と言う考え方があります。

自分の労働力を提供する相手は会社という考え方でこれを理解しているとより今の会社との付き合い方や、転職を考えるうえでの意識が変わってくると思います。

患者さんにいくら感謝されても会社の方針にあっていなければ仕事は評価されない

例えばこのような患者さん思いの薬剤師がいたとしましょう。

薬剤師の顧客は患者さんですよ。一人ひとり時間をかけて丁寧に服薬指導をしています!

心意気はすごく立派であり地域貢献を求められる薬剤師としては非常に良い考えだと思います。

しかし、薬局は調剤報酬に則り業務を行っているため大まかには同じ方針で同じ業務をしていますが細かなところで会社の方針が変わってきます。

筆者が個人的に目指す薬局はとことん患者さんの不安を解消することを目指しているためより時間をかけて患者さんの話を聞くことを良しとしていますが、薬局経営者にとってはより早く服薬指導を行いより短く終わらせて多くの人数の指導を行うことを求める場合もあります。

しかし調剤報酬は1件あたりの取れる点数が決まっているため、3分で終わっても30分をかけて患者さんに説明をしても薬局に入る収入は同じです。

経営的には服薬指導はより短く、より多くの患者さんの指導をすることが正しい側面もありどちらも正解と言えるのです。

薬剤師としての方針と会社の方針が合わないと悲惨

上記のように多くの薬局は『地域の患者さんのために』といいますが、実態は会社や現場レベルで求められることが違います。

転職をする薬剤師が考えるのは価値観を見直すことと言う記事にも書いたのですが、仕事に対して何を求めて何がしたいのかを見つめ直すとより自分にあった会社を見つけることができます。

仕事は仕事と割り切って、人並みの給料貰えればそれで良いかな!

と言える人はおそらくどんな会社でも柔軟に合わせて対応していけるでしょう。

私は薬剤師という専門職としてより患者さんの治療に関わっていきたいです。
そのためにはしっかり勉強して抗がん剤のフォローとか在宅とか1人の患者さんに時間をかけたい!

このように考える人はすごい貴重な存在ですが、経営的な目線では効率の悪い服薬指導をするとも考えられます。

上記の2名は極端な例を出しましたが、どちらも正解でそれぞれの人の仕事に対する考え方や人生観によって変わってくるところでどちらも正解と言えます。

下記の薬剤師さんは患者さんを思うがゆえにおそらく服薬指導に何十分も使ってしまい、多くの患者さんを待たせずにおくすりを渡すと言った会社で働いてしまうと会社から『服薬指導の人数が少ない薬剤師』という評価となり、患者さんを満足させることができても社内では居心地の悪い結果となってしまいます。

会社の求める方針を確認しよう

改めて今働いている会社が薬剤師に求めていることを考え直してみましょう

  • かかりつけ薬剤師の件数
  • 医療機関へのレポートの件数
  • 認定薬剤師の取得状況
  • 社内認定制度の取得状況

など朝礼のときにあれをやってくださいというのが会社から降りてくるかと思います。

会社はあんなこと言っているけど現場のことなんにもわかってないな

というように現場と本部との認識のズレが起こり働く側が不満が募ることもよくありますが、そんな事を言っても会社の方針を決めるのは経営陣のため仕方がありません。

保険薬局は厚生労働省の目指す薬局像をモデルに経営方針を決めているため『地域に根ざした医療を!』と方針を立てていることが多いですが、実際に働いてみて何を求められるのかは改めて考えていただいたほうが良いかと思います。

今働いている薬局は自分は働く価値のある会社なのか考える

派遣会社の”自分株式会社”として自分自身を務めている薬局に派遣していると考えると、会社と自分は対等な関係と考えやすくなります。

『自分自身』という貴重な人材が週に40時間という家族と過ごすより長い時間をかけるべき職場なのか?それを長く続けることが果たして人生において有意義な時間の使い方なのか?といったことを自問自答し、もし疑問が残るなら転職活動をして他の薬局を見てみることをおすすめします。

ちなみに『仕事は生活費を稼ぐための手段だから会社の方針に従います!誰かに指示を出してもらったほうが性に合っている。』と言う考え方もあり、それは会社に貢献しているという意味ではお互いに良い関係と言えるかと思います。

自分にあった会社を探すために転職活動をしてみよう

保険薬局というビジネスモデルは半分以上が中小企業であり、社長の色が色濃く経営方針に出てくる部分でもあります。

  • 毎年学会発表を積極的にやっている学術的な薬局
  • 外来患者よりも在宅患者が多い薬局
  • 社長が20代で社員全体が若く活気のある薬局
  • 開業して30年経過して、勤務している従業員は高齢だが地域に愛されている薬局
  • 門前の先生も高齢で最低限だけこなしている薬局

など見てみると様々な薬局がありその社長は様々な考えや思いを持って経営しています。

特に1~4店舗程度の規模で運営している薬局は採用面接も社長が自らやっていることも多く、採用の応募をして面接の段階で会社が自分にあうかの判断がしやすくなると思います。

転職活動をすることは今の会社を辞める前提ではなく、他の会社の方針をしることで改めて今働いている会社が自分にあっていると気づくかもしれないという狙いもあります。

転職そのものは今ある会社を手放すのでリスクを伴いますが、転職活動自体は特に大きなリスクはありません。(すごく低い確率で転職しようとしていたという噂が立つ可能性はありますが)

自分の環境が恵まれているかどうかを知る意味でもぜひ転職活動の一歩として近くの薬局に電話してみたり、転職エージェントを使ってみたりと行動を起こしてみてください。

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