薬剤師が転職を考えたときに使うことになる転職エージェント。
転職する際の相談相手であり、面接の日程や年収交渉などを代行してくれる頼もしい味方ですが彼らの多くは薬剤師の免許を持たず、調剤をしたことがない営業職の人たちです。
薬剤師という専門職での転職において「この薬局の電子薬歴は〇〇を使っている」「処方箋枚数が30人で門前の病院は小児科。これで一人薬剤師は無理なんじゃない?」といった調剤したことがある人間にしかわからない具体的な仕事内容に関しての深い相談は難しいことがほとんどです。
一方で薬剤師でないからこそ客観的な目を持っているため、年収や条件など数字や環境を見ながら冷静に相談できる側面もあります。
今回は転職エージェントの多くが薬剤師の免許を持たず支援をしていますが、それによるメリットを考えてみます。
結論としては免許を持っていないことで変なこだわりを持っておらず、より企業のニーズにマッチした紹介ができる可能性があると考えられます。
薬剤師でないからこそ先入観が少ない
薬剤師として臨床の現場に立っているとどうしても
- 皮膚科の門前は軟膏をひたすら練るので忙しい
- 耳鼻科の門前は冬から春は忙しいけど夏は暇になる
- あの薬歴は使いづらい
といった自分自身の経験則から好き嫌いが出てきてしまいます。
これは決して悪いことではありませんが、エージェントが薬剤師で『希望者は残業をしたくないと言っているから冬から花粉症シーズンに忙しくなる耳鼻科の門前である薬局は対象外だな』といったように勝手に経験則を結論に紐づけてしまうリスクがあります。
一方で薬剤師でない転職エージェントは企業からのヒアリングをしっかり行い
- 皮膚科でも約束処方があるからいちいち軟膏を寝ることはしないのでそこまで調剤に時間はかからない
- 立地と処方箋発行している診療科の実際の違いを処方箋枚数など数字を見て冷静に把握している
- 色々な薬剤師の話をクリアな目線で聞いているため思い込みのようなことが少ない
と言った点を事実だけを見て先入観無くフラットに見ています。
そのため、『思い込みで敬遠していた就職先が実は条件良く自分に合っていた』というケースも考えられます。
年収や条件交渉を感情抜きで進めることができる
年収や勤務条件の交渉は、薬剤師が介入すると『認定を持っていないし管理薬剤師もやったことがないのにこんな条件で見つかるわけないじゃないか!』と言ったように自分の経験論や薬剤師としての価値観を優先して、スキルに応じた条件交渉になってしまうでしょう。
一方で薬剤師でないエージェントであれば
- この希望条件ならどのような企業が受け入れてくれるのか
- 地域性や市場相場と比べて希望年収が高いのか低いのか
- どこまでなら交渉余地があるのか
を感情抜きに客観的に判断します。
結果として、
- タイミングよく良い条件を通して採用が決まる
- エージェントの薬剤師としての価値観に振り回されない
- 冷静な落とし所を提示してくれる
と言った「試しに言ってみたら良い職場が見つかった!」という転職が実現する可能性があります。
専任でやっているからこそ情報が集まる
薬剤師が行うエージェントは『薬剤師が相談に乗ることでより深く相談できる』ことを売りにしていますが、薬剤師として働かなければその謳い文句は通用しません。
つまり、エージェントの仕事と薬剤師の仕事を半々でおこなっていることになります。
一方で薬剤師でない転職エージェントは転職支援のみを仕事として行っており、仕事の大半の時間を転職希望する薬剤師との面談や企業との交渉に使っています。
絶対的に取り扱い案件が多いため
- どのような人材が良い転職に成功しているのか
- 今この地域ではどれくらいの年収で採用が決まっているのか
- 面接をしたけど断られた人にはどんな特徴があるのか
- 意外と認定薬剤師を持っていなくても採用が決まる
など、数をこなすことで薬剤師の年収の相場観や求められる人物像の精度が高まっていきます。
薬剤師がより多くの患者さんへ服薬指導をしてわかりやすい説明ができるようになったり、多くの処方箋を見て医師の処方意図を汲み取れるようになるように、転職エージェントも多くの転職を手伝うことでより良いマッチングを提供できるようになります。
まとめ|薬剤師でないからこそ冷静なサポートができる
転職エージェントの多くは薬剤師でない方が担当しており”調剤のプロ”ではないが”転職のプロ”であると言えます。
何度も言う通り薬剤師が薬剤師の相談に乗るとどうしても自分自身の経験からバイアスがかかったアドバイスになってしまいますが、薬剤師でないエージェントは客観的に集まった情報から事実ベースで転職に関するアドバイスとなります。
一方で薬剤師が転職を考えるにあたり、面接や見学に行った時の『現場の雰囲気』や『社長の考え』と言った感覚が合うかと言うのも非常に重要なポイントだったりもします。
結論としては、薬剤師ではないエージェントには客観的な目を持っているメリットがあるし、薬剤師がやるエージェントは現場感覚も含めて相談できるといったメリットがありどちらも重要です。
また元もこうもないことを言いますが、結局は人と人とのコミュニケーションのため、『エージェントとの相性が良ければそれで良い。』と言うのが一番大事だったりします。
転職活動をする際は一貫してお薦めしている通り、3カ所くらいに登録して複数のエージェントと面談をして、さまざまな目線からのアドバイスをもらい活動を進めることをお薦めします。
1人くらいは相性の良いエージェントに出会えるはずです。
面談の回数が多くなるとその分煩わしさはありますが、転職という大きな決断のために失敗を避けるには頑張りどころだと思います。良い転職先さえ見つかれば、仕事が楽しくなり人生がより楽しくなるはずです。
『半年間だけ頑張るぞ!』のように期間を決めてぜひ頑張ってみてください。

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