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タイピングスキルが薬剤師に必要な理由

皆さんはタッチタイピング(ブラインドタッチ)は習得していますでしょうか?

薬剤師のスキルと言えば、飲み合わせを調べたり患者さんの不安要素を聞き取るなど薬というモノに対してや服薬指導に関連したことが注目されがちです。

ただ薬剤師にとって避けられないのが薬歴を残すという仕事です。薬剤師法や薬担規則に明確に記載はないものの、厚生局による指導で薬歴未記載の指摘を受けて1億円以上の金額を自主返還したニュースもあり必ず記載しなければなりません。参考→流通ニュース

いまだに紙薬歴を使っている薬局も残っていますが、2024年の調剤報酬改定で新設された『DX推薦加算』の用件にも電子薬歴の使用が必須となり、今後の薬局運営は電子薬歴を扱っていくことが予想されます。

『薬歴を残す=キーボードで文字を入力する』に等しいため、タイピングの速度は薬剤師として働くうえで必ず見に付けておきたい技術です。

目次

どれくらい早ければいいの?目安は?

それではどれくらいの速度で打てればいいんですか?という話になりますが、グーグルで検索してみると1分間に200文字~300文字が打てれば早い方という記事が多いようです。

上記はあくまでも1文字あたりなので、ローマ字入力&漢字の変換を考えると50文字くらいという基準もあるそうです。

文字数を言ってもあまり実感がわかないので、私の薬局ではe-typingというホームページを使ってスコアを出しています。

e-tipingから引用

スコアとしては209点以上のA-を目指せば一般的なオフィスワークでは困らないレベルとのことですので、その点数を目指しましょう。

実際にやってみましたが、私のスコアは292点、レベルはGood!と合格点を出せました。

1分間に300文字以上打てているのですが、実際に話すよりは少し遅いくらいで文字が入力できているような速さです。

タイピングの遅さが経営に与える影響

実際に経営者が『タイピングが遅い』ことに対してどのようなことを考えるかを解説します。

モデル処方箋と薬歴

例えば下記の処方箋が来て薬歴を書いたとします。

処方箋

S:転んで2ヶ月位入院していたよ。入院していたときから薬は飲んでいます。血圧の薬とかはかかりつけの病院でもらってきた。血圧は120くらいで入院中も大丈夫だったよ。痛みはだいぶマシになったね。湿布ないと痛いからこれは手放せないね。

O:〇〇内科よりアムロジピン5mg、ロスバスタチン2.5mg処方あり
 退院後継続処方、アレンドロン酸は毎週土曜日に内服。
 テープは腰部への貼付。
 YAMは大腿骨で72%
 血圧は診察室血圧が収縮期120mmHg

A:2ヶ月ほど前に雪が降ったときに点灯し腰椎圧迫骨折。当時疼痛はあったものの現在は特に気になっていないとのこと。
 退院処方が14日分処方されていたが、アレンドロン酸の服用は忘れずコンプライアンス良好。
 血圧も他院からの処方でコントロール良好の様子。

P:アレンドロン酸の飲み忘れ状況を確認。
 しびれなどがあとから出てくるかもしれないので疼痛と一緒にフォローしていく。

上記で文字カウントをすると日本語で393文字となります。

ローマ字入力をしている上に漢字変換をしていることを考えるとタイピング文字としては倍の約800文字位と結構な文字数となります。

実際に入力してみましたが、3分程度はかかったと思いますが人によっては5分くらいかかる人もいるでしょう。たかが2分ですがそれがどれくらい影響していくのか計算してみましょう。

どれくらい人件費がかかっているのか計算

薬局薬剤師が1日に服薬指導する人数はおおまかに20人~30人程度かと思います。

1人当たり2分の違いがあるとすると、時間にして40分~60分の違いが出てくることになります。

薬剤師の時給は年収550万円の人で大体2,500円くらいですのでタイピングが遅いだけで1日あたり1,600円~2,500円の人件費がかかり、1ヶ月20日営業しているとすると32,000円~50,000円の金額を多く払っていることになります。

もちろん患者さんがいないときに書いているから必ずしもその金額が出ていっているわけではないですが、薬歴に取られている時間を服用薬剤調整支援料などのトレーシングレポートを書く時間に当てて加算が取れる事も考えると損失として大きいものになります。

服薬指導→薬歴を記載することでさらに時短に

タイピングが早いことでのかくれたメリットとして『服薬指導→薬歴記載を終わらせる』と言う流れで業務を終わらせることがかなり大きいです。

タイピングが遅い人

①薬歴を見ながら服薬指導を行う
②指導内容を処方箋のコピーに手書きでメモ
③時間が空いたときに患者画面を開き直して記載

タイピングが早い人

①服薬指導を行う
②指導内容をそのまま記載し終了。

当たり前の話ですが工程が少ないほど早く仕事は終わります。

特に『③薬歴を開き直し指導内容を思い出して薬歴を書く』という流れは、それだけで2分~3分の時間差が生まれてくるのでさらに早い人と比べて多くの時間を要することになります。

木こりのジレンマという話

ITエンジニアの世界には『木こりのジレンマ』という話があるそうです。

森の中できこりがボロボロの錆びついた斧を使って一生懸命木を切っている場面に、通りがかった人が質問します。

そんな錆びついた斧で切っていても効率が悪いでしょ。斧を研いだらどうですか?

忙しくて斧を研いでいるヒマがないんだよ。

斧を研げばもっと早く気を切ることができるのにもかかわらず、一旦手を止めることができずに非効率的な仕事を続けてしまう例え話ですね。

薬剤師の給料は一般的には高いのですが、その高い時給は薬剤師という専門的な仕事に対して支払われるものです。

薬歴を記載することは専門的な仕事ではありますが、それはあくまでも内容について出会って入力が遅いことはただ単に単価の高い事務作業とみなされても仕方がありません。

薬や病態の勉強も大事ですが、一度スパーテルをおいてパソコンの基礎スキルであるタイピングを練習するというのは薬剤師にも重要なスキルかと考えます。

タイピングの練習をしましょう!

タイピングが遅いことは経営者からすると仕事に余計な時間をかけて人件費がかさむと見られてしまう可能性があります。

このような人は少ないですが、面接の時に「私はタイピングが早いので薬歴を書く時間は短いです!」という人はそれだけでPRポイントとなります。

薬剤師としての専門的な仕事に集中できるようタイピングスキルを磨いてみてください!

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