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【グラフで見る】薬剤師の年収はこの10年で上がった?下がった?全国・福島の推移を厚労省データで検証

「薬剤師の年収は高い」——そんなイメージで薬剤師を目指した方も多いと思います。でも、実際のところここ数年で薬剤師の年収は上がっているのでしょうか?それとも下がっているのでしょうか?

この記事では、厚生労働省「賃金構造基本統計調査」の過去10年分(平成28年〜令和7年)のデータをつなぎ合わせ、薬剤師の平均年収がどう推移してきたかをグラフで見ていきます。さらに、地元・福島県の動きや、直近3年(令和5〜7年)の中身も詳しく掘り下げます。

※年収はすべて『きまって支給する現金給与額×12ヶ月+年間賞与その他特別給与額』で算出しています。


目次

まず結論:この10年で全国平均は+52万円、でも直近は反落

細かい話の前に、いちばん大事なグラフから見てもらいます。

薬剤師の平均年収の推移(全国・過去10年)500520540560580600H28H29H30R1R2R3R4R5R6R7(万円)515544544562565581583578599567全国平均出典:厚生労働省 賃金構造基本統計調査

全国の薬剤師の平均年収は、平成28年の515万円から、ピークの令和6年の599万円まで、+84万円上昇してきました。ところが、最新の令和7年(2025年)は566.8万円と、前年から▲32万円も反落し、10年全体では+52万円にとどまっています。

「10年で見れば上がっているが、ここにきて急ブレーキ」——これが今の薬剤師の給与の姿です。


全国平均の10年推移(数字で確認)

グラフの元になった数字がこちらです。

調査年平均年収月給(千円)年間賞与(千円)平均年齢
平成28年(2016)514.9万円363.5787.037.4歳
平成29年(2017)543.8万円388.3778.639.0歳
平成30年(2018)543.6万円379.9877.138.6歳
令和元年(2019)561.7万円398.6833.339.4歳
令和2年(2020)565.1万円394.2920.941.2歳
令和3年(2021)580.5万円403.6962.241.1歳
令和4年(2022)583.4万円414.6858.741.1歳
令和5年(2023)577.9万円417.5768.740.3歳
令和6年(2024)599.3万円430.8823.640.9歳
令和7年(2025)566.8万円398.7883.540.1歳

ピークは令和6年の599.3万円。あと一歩で「平均600万円」に届くところまで来ていました。しかし翌年の令和7年は566.8万円へと下落しています。

世の中では「賃上げ」「初任給アップ」のニュースが続いていますが、薬剤師の平均年収はむしろ足踏み〜反落という、少し意外な結果になっています。調剤報酬という公定価格のもとで働く薬剤師は、世間の賃上げの波に必ずしも乗れていない、とも言えそうです。


地元・福島県の10年推移は「乱高下」

次に、全国平均と福島県を重ねてみます。

薬剤師の平均年収の推移(全国 vs 福島県)360410460510560610660710760H28H29H30R1R2R3R4R5R6R7(万円)382530608489737525568551569574全国平均福島県出典:厚生労働省 賃金構造基本統計調査

ひと目でわかる通り、全国(青線)がなめらかなのに対して、福島(赤線)は毎年ジグザグに乱高下しています。382万円まで落ちる年もあれば、737万円まで跳ね上がる年もあります。

調査年福島の平均年収福島の平均年齢全国平均
平成28年(2016)381.6万円29.6歳514.9万円
平成29年(2017)529.7万円41.3歳543.8万円
平成30年(2018)607.9万円45.1歳543.6万円
令和元年(2019)489.2万円50.2歳561.7万円
令和2年(2020)737.4万円47.3歳565.1万円
令和3年(2021)525.2万円40.5歳580.5万円
令和4年(2022)568.3万円41.9歳583.4万円
令和5年(2023)551.2万円39.7歳577.9万円
令和6年(2024)569.3万円38.6歳599.3万円
令和7年(2025)573.6万円36.5歳566.8万円

なぜ福島はこんなに乱高下するのか?

これは「福島の給料が毎年乱れている」わけではありません。統計上のカラクリです。

ポイントは平均年齢の列を見ること。福島の調査対象は年150人前後と少なく、その年に調査に含まれた人の年齢が29.6歳〜50.2歳と大きく変動しています。

  • 平成28年:平均29.6歳と若い → 年収も低い(381.6万円)
  • 令和2年:ベテラン中心 → 年収が跳ね上がる(737.4万円)

つまり、対象人数が少ない都道府県の「1年分の数字」は、たまたまその年に誰が調査対象になったかで大きくブレます。地方の年収を見るときは、1年の数字を鵜呑みにせず、複数年をならして眺めるのが正解です。福島を数年ならすと、おおむね550〜580万円あたりが実力値と考えるのが妥当でしょう。


直近3年(令和5〜7年)を詳しく見る

10年の大きな流れがわかったところで、いま転職を考えている方に直結する直近3年を、全国と福島でもう少し細かく比べます。

全国:賞与は増えたのに、月給が下がった令和7年

令和5年令和6年令和7年
平均年収577.9万円599.3万円566.8万円
月給(千円)417.5430.8398.7
年間賞与(千円)768.7823.6883.5
平均年齢40.3歳40.9歳40.1歳

面白いのは令和7年の中身です。年間賞与は3年連続で増えている(768→823→883千円)のに、月給が令和6年の430.8千円から398.7千円へと大きく下がったため、トータルの年収が落ちています。ボーナスは頑張っているのに毎月の給料が下がる、というのは働く側としては実感の伴いにくい「年収減」かもしれません。

福島:全国が下がる中、550〜570万円台で推移

令和5年令和6年令和7年
福島の平均年収551.2万円569.3万円573.6万円
平均年齢39.7歳38.6歳36.5歳
(参考)全国平均577.9万円599.3万円566.8万円

福島は直近3年、551→569→574万円と、おおむね550〜580万円の範囲で推移しています。令和7年は福島(573.6万円)が全国平均(566.8万円)をわずかに上回りましたが、対象人数が少ないため、誤差の範囲といえます。それでも、「地方=薬剤師の年収が低い」とは必ずしもいえない水準です。


まとめ:この10年からわかること

  • 全国平均は10年で約+52万円(515→567万円)。ただしピークは令和6年の599万円で、令和7年は反落。
  • 賃上げのニュースとは裏腹に、薬剤師の給与は伸び悩みのフェーズに入りつつある。
  • 福島など対象人数の少ない県は年ごとの振れが大きい。1年の数字ではなく、数年ならして見るべき。
  • その福島は直近3年、550〜580万円の範囲で推移し、令和7年は全国平均と同水準だった。

「会社に居続ければ自然に年収が上がっていく」時代ではなくなってきています。だからこそ、自分の今の年収が相場と比べて高いのか低いのかを、定期的にチェックしておくことが大切です。もし平均を大きく下回っているなら、給与交渉や転職も選択肢に入れてよいでしょう。

都道府県別・企業規模別の年収が知りたい方は、【2026年最新】薬剤師の平均年収は566.8万円|令和7年賃金構造基本統計調査から企業規模別・都道府県別に徹底解説もあわせてご覧ください。


出典:厚生労働省「賃金構造基本統計調査」(平成28年〜令和7年/各年 職種別・都道府県別データ)。年収は「きまって支給する現金給与額×12+年間賞与その他特別給与額」で算出。数値はいずれも男女計。

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